
小笠原諸島なども上京といえるのか上京の定義が分からない方
このようなお悩みを解決している記事です。
この記事の結論
- 上京は本来「天皇陛下がいらっしゃる場所へ行く」という意味
- 地方から東京の中心部(特に東京23区)へ移住することを上京という
- 定義はあるが幅広く利用されているため、そこまで細かく考える必要はない。
東京へ移住することを上京という方もいえば、神奈川や埼玉、千葉の首都圏へ移住することを上京という方もおり、「上京の定義が分からない」という方は多いです。
そこで、本記事では上京の定義についてまとめてみました。
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上京とは?

「上京」には大きく分けて、「東京へ行く」と「京都へ行く」の2通りの意味がありますが、現代では「東京へ行く」という意味となります。
- 「京」という意味
- なぜ「東京へ行く」と「京都へ行く」の2通りがあるのか?
それぞれ簡単に説明します。
「京」という意味
「京」というのは「都(みやこ)」を指しており、天皇陛下がいらっしゃる場所です。
平城京や平安京、京都、東京都というように、天皇がいた・いる場所にはすべて「都」を指す「京」の字が付いています。

したがって、現代では東京・皇居に天皇陛下がいらっしゃることから「東京へ行く」=「上京」というのが一般的な認識となっています。
なぜ「東京へ行く」と「京都へ行く」の2通りがあるのか?
前述のとおり、天皇陛下がいらっしゃる場所に向かうことが「上京」の本来の意味です。
では、なぜ「東京へ行く」と「京都へ行く」の2通りがあるのか気になる方も多いでしょう。

明治2年まで
桓武天皇が794年(延歴13年)に奈良・平城京から京都・平安京に都を移してからは京都が「京」でした。
したがって、明治天皇が1869年(明治2年)に江戸(東京)に移るまで、「上京」とは京都へ行くことを意味しており、江戸へ行くことを「上京」とはいいません。
江戸時代には江戸に江戸幕府がありましたが当時、地方から江戸へ行くことは「上府」や「出府」が一般的でした。

明治2年以降
明治天皇が1869年(明治2年)に江戸(東京)へ移ると、江戸が「京」となり、東京府と呼ばれるようになりました。
したがって、明治2年以降からは「上京」は東京へ行くことを意味するようになり、現代に至ります。

上京の定義とは?

前述のとおり、上京の本来の意味は「天皇陛下がいらっしゃる場所に向かうこと」です。
また、「上京」を辞書で引いてみると以下のように記載されています。
都へのぼること。今は東京へ行くこと
引用:「広辞苑」第7版
地方から都へ行くこと。現在は、東京へ行くこと
引用:「大辞林」第4版
みやこにのぼること。昔は、地方から京都に行くこと。今では、地方から東京に行くこと。
引用:「日本国語大辞典」(第2版)
しかし、現代では概念が多少変化しており、地方在住者と東京在住者で上京の感覚が異なります。
ここでは、上京の定義をシーン別に下記4つに分けました。
- 地方から東京へ移住する場合
- 東京23区外から23区内への引っ越し
- 地方から神奈川・埼玉・千葉の関東圏や京都・大阪などへ移住した場合
- 隣県から東京へ移動する場合
それぞれ解説していきます。
地方から東京へ移住する場合

一般的に地方から東京へ移住した場合に「上京」といいます。
地方民からすれば「東京に移住する=上京と解釈する地方民」が多いですが、東京都民からすると移住するエリアによっては上京とは呼べないと考えている方が多いです。
ここでは下記2パターンに分けて、定義を紹介します。
- 東京23区内
- 東京23区外
東京23区内
基本的に東京23区内へ移住したら、上京だと認識しておくとよいです。
「東京へ移住=上京」という感覚だと、八王子市や多摩市、立川市、小河原諸島なども上京に該当します。
例えば、離島である「小河原諸島」へ移住した方が上京したといっても違和感をおぼえる方も多いでしょう。

したがって、23区内へ移住したら「上京」だと認識した方がよいです。
東京23区外
では、東京23区外へ移住した場合には上京とはいえないのか気になる方も多いでしょう。
前述のケースでいえば、東京23区外へ移住した場合は上京とはいえません。
ただ、三鷹市や小金井市、立川市などのように23区外であっても、中心部に近いのであれば「上京」といってよいのではないかと思います。

上記の経緯から23区外に移住した場合でも「上京」といって問題ないでしょう。
東京23区外から23区内への引っ越し
では、東京23区外から23区内へ移住した場合はどうでしょう。

例えば、実家のある八王子市から一人暮らしするために足立区に移住したとしましょう。
この場合は「引っ越し」が適切であり、上京とはいいません。
地方から神奈川・埼玉・千葉の関東圏や京都・大阪などへ移住した場合
地方民から見ると東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県は関東圏といった認識があり、上京だと思っている方も少なくありません。
しかし、関東圏の方は東京と他3県は別物という認識です。
また、上京の意味は「東京へ行くこと」であることから、地方から神奈川や千葉、埼玉などに引っ越した場合は上京とはいいません。
ただ、勤務先が東京23区内のため地方から移住したが、賃料などの理由から川崎市や所沢市の賃貸を借りたという場合であれば、上京といっても問題ないと思います。
また、天皇陛下がいらっしゃらないことから、現代では京都へ行くことを「上京」とは呼びません。

隣県から東京へ移動する場合
元々、神奈川や埼玉、千葉といった隣県に住んでいる方が東京へ遊びに行ったり、通勤したりする場合はどうでしょう。
東京へ行くという概念で見れば、上京といって間違いありません。
しかし、関東圏から東京へ行くことを上京と呼ぶのは違和感があります。
したがって、この場合は「移動」が適切でしょう。

旅行で東京へ行く場合
SNSや話のネタとして東京旅行を「上京」という方も多いでしょう。
結論からいって、旅行で東京へ行く場合は上京とはいいません。
上京は目的や目標を持ち、夢をかなえるために、数か月または数年といった長期間にわたって移住するという概念で使用されます。
したがって、旅行で東京へ行くことを上京というのは適当ではないでしょう。

上京の使い方

ここでは上京の使い方を簡単に解説します。
【例文1】東京本社への移動をきっかけに上京した
【例文2】大学進学をきっかけに上京してから、東京に住んでいる
【例文3】とりあえず上京したけど、なんとか生活できている
前述のとおり、上京には定義がありますが、幅広く利用されているため、そこまで細かく考える必要はありません。
東京へ行ったことを友達に話したり、SNSで投稿したりするような場合は、気軽に「上京」を活用しても問題ないでしょう。
上京の類語

上京の類語は下記の2つです。
- 上洛
- 入京
それぞれの意味を理解していきましょう。
上洛
「洛」とは都という意味があり、上洛は「都へ行く」という意味です。
日本では主に京都を指すため、現在ではあまり使用されません。

入京
「入京」は、「地方から都へ入ること」という意味で、東京へ入ることを指します。
ただ東京だけでなく、京都へ入ることを入京というため、上京と比較すると利用できる幅は広いです。
ただ、一般的に京都の場合は「京都へ行く」、東京の場合は「上京」というような表現が利用されます。

上京する場合は「上京理由」を明確にしておく
- 進学・就職・転勤がきっかけ
- 東京への憧れがつよい
- 叶えたい夢がある
- 若い頃に色々な経験を積みたい
- アイドル・有名人と知り合いになりたい
上記のように上京したいと思う理由は様々です。
東京は遊ぶ場所が豊富だったり、テレビ番組でやっているお店などへすぐに遊べたりできます。

したがって、東京生活を有意義なものにするには「なぜ上京したいのか」、理由を明確にしておく必要があります。
上京の意味とは?まとめ

上京の意味や定義、使い方などを紹介しました。
最後になりますが、本記事のポイントを3つまとめます。
ポイント
- 上京は本来「天皇陛下がいらっしゃる場所へ行く」という意味
- 地方から東京の中心部(特に東京23区)へ移住することを上京という
- 定義はあるが幅広く利用されているため、そこまで細かく考える必要はない。
地方民は地方から東京へ行ったら「上京」だと思っていますが、東京都民との認識の違いから状況次第では「上京」に該当しない場合もあります。
恥をかかないためにも上京の定義をしっかりと理解しておくことが大切です。
胸を張って「上京した!」と言いたい場合は、東京23区内へ移住することをおすすめします。